理由 reason 2004 4 20
共同通信には、こういうニュースがあります。
このニュースは、アメリカで、近く発売される(2004年当時)、
「攻撃計画」という本についての記事です。
(ワシントン18日共同)
「 17日付のニューヨーク・タイムズが、近く発売される、
ボブ・ウッドワード記者の著書『攻撃計画』の内容として報じた。」
「同書によると、パウエル国務長官は、
強力に戦争を提唱したチェイニー副大統領が、
当時のフセイン・イラク大統領と、
国際テロ組織アルカイダの関連を探すのに、
血眼になっている様子を、『熱病』のようだと見ており、
副大統領が、イラクの脅威に関する機密情報の解釈を誤り、
誇張したと思っているという。」
これについて、わかりにくいと思いますので、解説をします。
アメリカには、巨大な軍事産業があります。
しかも、アメリカ経済は、軍事産業への依存度が高いのです。
こういう経済構造では、
定期的に、戦争をする必要があるのです。
戦争がなくて平和が長続きすると、大変困った事態となるのです。
こうした巨大な軍事産業が、不景気となってしまうのです。
だから、定期的に、景気対策のために、(たとえハト派でも)戦争をする必要が発生するのです。
ですから、運悪く、その「定期」に当たった政権担当者は、
戦争の理由探しに苦労するのです。
いくら探しても戦争の理由がない場合は、戦争の理由を作ることになります。
暗転 turning point 2004 1 28
長期の投資家は、歴史を学ぶべきです。
歴史を振り返れば、
あの時、あれが、ターニングポイントだったと言えることがあるのです。
ここに、ひとつの例を挙げます。
1963年、ケネディ大統領は、暗殺されました。
副大統領から昇格したジョンソンは、
「偉大な社会」計画を掲げて、福祉政策を推進しました。
しかし、これが、アメリカの悩みである「財政赤字」の温床となりました。
アメリカは、ヨーロッパと違い、「成功者の街」です。
誰かが成功することによって、誰もが、それに続けと、がんばる社会なのです。
だから、本来ならば、成功のチャンスを、誰にでも与える政策にすべきだったのです。
しかし、「偉大な社会」計画で、結果的には、
「政府に頼るアメリカ人」、
「政府に依存するアメリカ人」を大量生産してしまったのです。
これが、アメリカにとって、大きなターニングポイントだったのです。
さらに、1964年のトンキン湾事件を機に、
議会から、ベトナム問題解決のための「特別権限」を与えられたジョンソン大統領は、
1965年2月から、北ベトナム爆撃(北爆)を開始しました。
しかし、1971年に、新聞に暴露された、
国防省秘密報告書「ペンタゴンペーパーズ」によれば、
トンキン湾事件は、数か月前から、アメリカ軍と南ベトナム軍によって、
計画されたものだったのです。
アメリカにとって、ベトナム戦争が、
大きなターニングポイントになったことは、誰でも認めるところです。
アメリカは、ベトナム戦争によって、財政が苦しくなり、ドル危機を招いたのです。
ケネディ大統領が暗殺されたことにより、
アメリカの運命は、暗転したと言えるかもしれません。